おがちぃ散歩

15.05.02 / 11.04.30 JR奈良線 十六会踏切の謎【JR藤森~桃山間】


YouTube:複線化後の存廃が気になるJR奈良線の謎踏切【JR藤森~桃山間 十六会踏切】15.05.02 / 11.04.30

JR木幡駅 9 JR木幡駅 10

JR木幡駅 11
六地蔵~木幡間にて:12.03.21 撮影

JR奈良線と言えば、踏切でもない箇所の線路を渡る人がいるという、
いわゆる勝手踏切の問題が有名。

勝手踏切と言っても事情は場所によって異なりますが、
奈良線の場合は
鉄道ができる前からあった生活道路が勝手踏切になっているケースもあります。

15.06.06/ 15.06.20 京阪京津線の線路内通行多発区間【2】
12.09.11 JR木幡駅・近年の今昔

省令

奈良線沿線の当該地域からは踏切の設置が求められていますが、
国土交通省の鉄道に関する「技術基準省令」39条では踏切の新設が厳しく制限され、
鉄道と線路の交差は立体交差としなければならない為、
当該箇所に踏切を設置することが難しいという現状があります。


このように、強く求められているにも関わらず踏切が設置されない場所がある一方で、
渡る人も皆無に等しいのに、立派に警報機と遮断機が設けられている踏切があります。

PAP_0133.jpg

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11.04.30 撮影

その踏切がJR藤森~桃山間の京都市伏見区桃山町にある十六会踏切で、
踏切の西側は住宅地となっているものの、
東側には中学校のテニスコートと農地だった土地があるだけで
そのテニスコートも踏切側には出入り口はありません。

その為、近隣の地域からは「無くしても良いのでは」との声が上がっています。

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15.05.02 撮影

踏切東側の農地だった土地は、最近になって開発工事が行われていますが、
開発後に十六会踏切がこの場所への通路として使用される気配はしません。


PAP_0134.jpg

このように、踏切の存在自体も謎ですが、
十六会」という名前自体も謎です。
この辺りは正宗という地名で十六会という地名がある訳でもありません。


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15.05.02 撮影

その謎を解くヒントを踏切に隣接する中学校のテニスコートに求めてみたいと思います。

このテニスコートは近くの京都市立桃山中学校の敷地ですが、
テニスコートだけが飛び地のように校舎などの主な設備がある場所からは離れています。


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11.12.29 撮影

この桃山中学校の敷地は元々は私立の伏見商業学校だったところで、
伏見商業学校の京都市立第三商業学校への移管を経て、現在の桃山中学校となっています。

その伏見商業学校を設立したのが伏見十六会という戦前にあった社団法人の教育部でした。


伏見十六会は伏見の産業振興の為に明治28(1895)年に設立されました。

十六会という名称は、
有志青年16人が毎月16日に会合を行っていたことに由来します。

事業は多岐に渡り、
資金を融資して伏見の商工業の振興に寄与した貯金部、
学校や図書館を設置し、地域の教育・文化の発展につとめた教育部、
無料診療を行っていた救済部がありました。

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京都市伏見中央図書館:11.12.17 撮影

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京都中央信用金庫桃山支店:11.12.18 撮影

この伏見十六会は、昭和9(1934)年に昭和恐慌の影響で解散してしまいましたが、
設立した図書館は現在の京都市伏見中央図書館に、
また、明治38(1905)年に設立された伏見信用組合は伏見信用金庫となり、
平成5(1993)年11月の西陣信用金庫との合併により京都みやこ信用金庫となった後、
平成12(2000)年1月14日に京都中央信用金庫に事業が引き継がれています。


002_2015070413010546d.jpg

それで、踏切横のテニスコートがいつからあったかは分かりませんが、
50年以上前にはすでにあったらしく、
学校の沿革にも譲り受けたとか用地を取得したという記述は見られないことから、
テニスコートも伏見商業学校の用地で、
京都市に移管される際、一緒に市立学校の用地になったのかも知れません。

また、このテニスコートの敷地は綺麗な四角形ではなく、
北西の角を奈良線が削ったような形
をしています。


103_20150704212749df2.jpg
13.04.19 撮影

レポ01a
大和街道踏切:14.08.07 撮影

104.jpg
12.02.03 撮影

PAP_0007 2
11.04.18 撮影

105.jpg
12.02.03 撮影

106.jpg
12.02.03 撮影

107.jpg
13.05.07 撮影

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11.01.23 撮影


YouTube:10.08.05 JR奈良線 JR藤森~稲荷間 103系すれ違い / 名神高速道路を越えて間もなく東海道本線旧線に入る

この十六会踏切のある桃山~稲荷間は奈良線で最も新しい区間です。

伏見・山科・大津の路線変遷の図b

東海道本線の東山トンネル・新逢坂山トンネルの開通により
京都~大津間の新線が開業し、
旧線の京都~稲荷間は奈良線に編入されることになりました。

11.04.30 稲荷駅ランプ小屋
旧東海道本線跡① 【稲荷~山科間】
旧東海道本線跡② 【疎水と鴨川の橋梁跡】 11.02.19
鉄道記念物 旧逢坂山隧道東口 09.02.02

それに伴い、大正10(1921)年に奈良線の桃山~京都間は、
現在の近鉄京都線(旧奈良電鉄線)の丹波橋~京都間を通っていたルートから、
新線を介しての稲荷駅経由のルートに改められます。


伏見商業学校の創立は大正5(1916)年です。

地図 大和街道c縮 連絡線跡 map

現在のテニスコートは上板橋通りから出入りするかたちとなっていますが、
昔は踏切側に出入口があったそうです。

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007_201507041328294ca.jpg

このことから、奈良線の新線敷設の際、敷地の北西部が線路用地として提供されるにあたり、
もともと十六会の土地だったことから、
あるいは十六会の為の踏切であること、
伏見商業学校が十六会によってつくられたものであることなどから
十六会踏切という名前になったのではないかと考えられます。






■参照および引用した資料
・「新版 京・伏見 歴史の旅」
 山本眞嗣・著 山川出版社
・「伏見十六会と伏見信用組合
 伏見十六会出版部
・wikipedia:京都みやこ信用金庫
 https://ja.wikipedia.org/wiki/京都みやこ信用金庫
 ...など


 








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コメント

伏見十六会も豪いが
こうした隠れた地元史をきちんと記録している著者も豪いとおもいます
  1. 2016/05/28(土) 01:54:27 |
  2. URL |
  3. DoctorK #0ecWsDRU
  4. [ 編集 ]

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